リスペクトは、医学部を有する横浜市立大学の学区に拠点があることから、多くの医学部生が在籍している。今回は、医学部医学科に身を置きつつ、家庭教師とリスペクト・ラボの教師として活躍する女性にインタビューをおこなった。難しい医学の勉強に励みつつもリスペクトで働く彼女は、いったいどのような日々を送っているのだろうか。

高校時代から友人に勉強を教える機会があり、大学に入学したら「教える仕事をしようと決めていた」という彼女。しかし「教えることが得意かどうかは、わからなかった」と、その適性には不安があったとのこと。実際、彼女は教師として働きはじめてから何度か壁にぶつかっている。

「指導中、生徒に対してあまり強く言うことができなくて…それで生徒との向き合い方に悩んでいた時期がありました…(笑)リスペクトに入ったとき『きちんと叱るべきところは叱って、ケジメのある教師になりたいです』といったのですが、なかなか実行できなくて。いまはちょっと、それを乗り越えたところです。」

少し苦笑いをしつつ、乗り越えることができた理由は「先輩たちのフォローのおかげ」と語る。

「普段、学校では軽いかんじで接してくる先輩がいるのですが。その先輩が、生徒に教えるときはとても熱心に、ビシッと怒るところで怒って、もちろん指導も上手で。同じ生徒を3人の先生で教えているので(※教科別に別々の教師が担当している)、私が生徒に対してうまくコミュニケーションをとれていない部分を、そんな先輩がフォローしてくれて助かりました」

何かとフォローしてくれる先輩たち。医学部の中だけにいたら、そんな人たちとの出会いはなかなかなかったと語る。

「同じ生徒を指導している3人で、生徒の受験日に応援にいったんです。私は中学、高校と1クラス10数人くらいという小規模な塾に通っていて…そのころ先生たちが受験生を応援する会を開いてくれたことを思い出しました。あの塾と同じような、アットホームなかんじがリスペクトにもあって、なんか自分に合っているかんじがします」

いまはいろいろと先輩に教えてもらっている大学一年生だが、今年は進級し、リスペクトでも後輩たちの面倒を見る立場になる。

「先輩とはいつも生徒や指導の話をしているわけでもなくて。バイクとか車の話とか…私が背が小さいので『こんな私でも乗れるバイクはありますか…?』とか(笑)後輩ともそんな話をしながら、リスペクトで輪を広げていきたいです。医学部はとても狹いコミュニティなので。ここに入っていなかったら知り合えなかった人、たくさんいますもん(笑)」

医学部に入ったからには、当然将来の職業は医者と決めている。そしていまリスペクトで学んでいることは、医者の道にも活かせることが多いという。

「医者と教師でリンクすることって結構あるんです。生徒の顔を見て、わかっているかどうか確認しながら説明を進めるという作業は、患者さんに対するコミュニケーションでも共通していると思います。生徒も患者さんも、わからないところや不安なところをなかなか口に出せないので。そういうのを汲み取れるようになっていきたいです」

何かと「先輩がフォローしてくれるので」と言いつつも、いまの目標を尋ねると「数学に関しては、そんな先輩たちに負けないくらい教えるようになりたい。指導の技術的に負けたくないですね」と、隠していた闘志がうかがえる瞬間も。

もともと進路選択の際に法学部も検討していたが、最終的に医学部を選んだ理由は「数学や理科が好きだったから」だという。どうやら“好きなことで負けたくない”という思いが、彼女の向上心を支えているようだ。

医者になるための勉強、教師としてのスキルアップと、どちらも弛まぬ努力を続ける彼女。両立は、きっと自然としているものなのだ。